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※記載内容は8/25時点のものです。
「B型って、実際いくらもらえるんですか?」

見学に来られた方から、いちばん多く聞かれる質問がこれです。そして、いちばん聞きにくそうに聞かれる質問でもあります。
お金の話を切り出すのは、なんとなく気が引ける。福祉サービスなのだから、金額を気にするのは失礼なのではないか?
そう感じてしまう方がいらっしゃいます。
ですが、これはまったく遠慮していただく必要のない、当然の質問です。通うためには交通費も昼食代もかかりますし、生活の見通しを立てるうえで金額は重要な情報です。

むしろ、金額をはっきり答えない事業所のほうを警戒すべきだと私たちは考えています。
この記事では、佐賀市鍋島の就労継続支援B型事業所ARC WORKSから、工賃の仕組み、全国と佐賀県の相場、そして「工賃が上がる事業所」の見分け方までを、包み隠さずお伝えします。
そもそも「工賃」とは何か


工賃とは、就労継続支援B型で行った作業の対価として支払われるお金のことです。
「給料」や「賃金」と呼ばないのには、はっきりした理由があります。
B型は雇用契約を結ばないサービスだからです。
雇用契約がないということは、労働基準法上の「労働者」ではないため、最低賃金が適用されません。だから「賃金」ではなく「工賃」という別の言葉が使われています。
ここは正直にお伝えしておきます。工賃だけで生活費をまかなうことは、現実的には困難です。多くの方が、障害年金やご家族の支援と組み合わせながら利用されています。

「工賃で自立できます」と言う事業所があったら、その根拠を必ず確認してください。ここを曖昧にしたまま話を進めるのは誠実ではないと思っています。
A型・一般就労との金額の違い

| 区分 | 契約形態 | 受け取るお金 | 最低賃金 |
|---|---|---|---|
| 就労継続支援B型 | 利用契約(雇用なし) | 工賃 | 適用されない |
| 就労継続支援A型 | 雇用契約 | 給与 | 適用される |
| 一般就労 | 雇用契約 | 給与 | 適用される |
金額だけを見れば、B型がもっとも低くなります。
その代わりにB型が持っているのが、「通う日数も時間も自分で決められる」という自由度です。

週2日・午前中だけの利用が認められるのはB型だけであり、この柔軟さと金額はトレードオフの関係にあります。
どちらを優先すべきかは、その方の体調と生活状況によって変わります。「収入を最優先したい」という段階の方には、私たちはA型や一般就労をお勧めすることもあります。
工賃はどうやって決まるのか
工賃の原資は、事業所が受注した作業から得た売上です。
ここが誤解されやすいところなのですが、工賃は国から支給されるお金ではありません。

国から事業所に入る「給付費」は、職員の人件費や施設の運営費に使われるもので、法律上、これを工賃の支払いに充てることはできません。
つまり事業所が仕事を取ってきて、きちんと利益を出さなければ、工賃は上がらない。
これが工賃の構造のすべてです。事業所ごとに工賃の金額が大きく違うのは、この「仕事を取ってくる力」に差があるからです。
支払い方式は主に2つ
- 時間割方式|作業した時間に応じて支払う。通所日数が多いほど工賃が増える
- 出来高方式|完成した数量に応じて支払う。作業スピードが工賃に反映される

両者を組み合わせている事業所もあります。
どの方式を採用しているかで、月ごとの変動幅がかなり変わってきます。
「先月は5,000円だったのに今月は2,000円だった」ということが起こりうるのか?
これは見学時に確認しておきたいポイントです。
全国と佐賀県の工賃相場
厚生労働省は毎年、全国のB型事業所の平均工賃を公表しています。
近年の全国平均は月額でおおむね17,000円前後、時間額では200円台後半で推移しています。

佐賀県内の事業所別の工賃実績は、佐賀県のホームページで事業所名入りで公表されています。
「就労継続支援B型 工賃実績 佐賀県」で検索すると、県内すべての事業所の平均工賃(月額)が一覧になったPDFを見ることができます。
これは、事業所を選ぶうえで非常に有力な資料です。パンフレットの印象ではなく、公的な実績値で比較できるからです。見学に行く前に、必ず一度目を通しておくことをお勧めします。

自分の事業所にとって都合のいい資料ではありませんが、隠しても仕方のない情報です。比較したうえで選んでいただくほうが、結果的にお互いにとって良い関係になります。
ただし、平均工賃だけで判断してはいけない理由
ここで一点、注意していただきたいことがあります。平均工賃が高い事業所が、必ずしもご本人にとって良い事業所とは限らないということです。
理由は3つあります。
1つめ。平均は通所日数に左右されます。
週5日通う方が多い事業所は、当然ながら平均工賃が高く出ます。週2日から始めたい方にとっては、その数字は自分に当てはまりません。
2つめ。作業のきつさが反映されていません。
工賃が高い事業所の中には、出来高のプレッシャーが強く、体調に波のある方には合わない環境もあります。
3つめ。数字は過去のものです。
公表されるのは前年度以前の実績であり、その後に主力の受注先が変わっている可能性もあります。
見るべきは、平均額そのものよりも「週2〜3日通った場合、実際にいくらになるのか」という具体的な数字です。
これは見学時に直接聞いてください。答えられない事業所は、そもそも自分の工賃構造を把握できていない可能性があります。
「工賃が上がる事業所」を見分ける4つの質問
では、どうやって見分ければいいのか。見学時にこの4つを聞いてみてください。
質問1|主な受注先はどこですか?
工賃の原資は受注です。特定の1社に依存していないかが重要なポイントになります。
1社依存の事業所は、その会社の都合で仕事が減ったときに工賃が一気に落ちます。「複数の取引先がある」「自主製品の販売もある」という答えが返ってくれば、収入源が分散していると判断できます。
質問2|作業の種類はいくつありますか?
作業が1種類しかない事業所は、その作業が合わなかった時点で選択肢がなくなります。
逆に、農作業・軽作業・パソコン作業といった複数の選択肢がある事業所なら、体調や適性に応じて作業を切り替えられます。
この「切り替えられること」が、長く通い続けられるかどうかを大きく左右します。ARC WORKSが農作業からPC・AIスキルまで幅を持たせているのも、この理由からです。
質問3|工賃が上がるとしたら、どういうときですか?
この質問には、事業所の姿勢がよく表れます。
「作業に慣れて数がこなせるようになったとき」
「新しい単価の高い仕事を受注できたとき」
といった具体的な答えが返ってくれば、工賃向上を経営課題として意識している事業所です。
逆に「みんな同じです」「決まっているので変わりません」という答えの場合、上がる仕組み自体がない可能性があります。
質問4|昼食代や送迎費は別途かかりますか?
意外と見落とされるのがここです。工賃が月8,000円でも、昼食代が月6,000円かかれば手元には2,000円しか残りません。
「工賃−実費」で考えるのが正しい比較の仕方です。送迎の有無は、交通費という形で家計に直結します。
工賃と障害年金・その他の収入の関係

「工賃をもらうと、障害年金が減るのでは?」というご相談をよくいただきます。
結論から申し上げると、B型の工賃を受け取ったことによって障害基礎年金が減額されることは、通常ありません。
障害基礎年金の支給停止は、原則として障害の状態が軽くなったと判断された場合に起こるものであり、工賃額そのものが直接の理由になるわけではないからです。
ただし、生活保護を受給されている場合は取り扱いが異なり、収入として申告が必要になります(一定額の控除が設けられています)。
※細かい話しは担当のケースワーカーにご確認ください。

制度の運用は個別の状況によって変わります。この記事の内容だけで判断せず、市の窓口や相談支援専門員に確認していただくのが確実です。
金額の先にあるもの
ここまで金額の話ばかりしてきましたので、最後に一つだけ別の視点をお伝えさせてください。
ARC WORKSに通われている方に「工賃をもらってどうでしたか」と聞くと、金額の話より先に返ってくる言葉があります。
「久しぶりに、人にごちそうできた」
「親に何かを買って渡せた」
「自分のお金で買ったものだと思うと、扱いが違う」
数千円という金額は、生活を変えるには足りません。
ですが、「もらう側」から「渡す側」に一度でも回れることの意味は、金額では測れないものがあります。
もちろん、これは工賃が低くていい理由にはなりません。

私たちは受注先を増やし、単価の高い作業を取りに行く努力を続けます。ただ、金額だけを見て「意味がない」と切り捨てるのは、少しもったいないとも思っています。
まとめ
- 工賃は雇用契約に基づかない対価であり、最低賃金は適用されない
- 全国平均は月額17,000円前後。佐賀県は事業所別の実績を県が公表している
- 工賃の原資は事業所の受注売上。仕事を取る力がそのまま工賃に反映される
- 平均額だけで判断せず「自分の通所日数だといくらか」を直接確認する
- 受注先の分散、作業の種類、実費負担の4点を見学時に必ず聞く
ARC WORKSでは、工賃の金額も支払い方式も、見学時にすべてお伝えしています。
他の事業所と比べていただいて構いません。納得したうえで選んでいただくことが、長く通っていただくための前提だと考えています。
![[佐賀]就労継続支援B型事業所 送迎ありアークワークス[ARC WORKS]](http://arc-works.jp/wp-content/uploads/2026/03/logo.png)

